孤独死による物件を高く売るコツとは?
2023.08.07
特殊清掃と不動産
前回記事の『孤独死が起きた物件を買取してもらうには』でもお話ししたように、孤独死のあった物件も買い取ってもらうことは可能です。この記事では孤独死の起きた物件をできるだけ高く売るために大切となるポイントを分かりやすく紹介しています。
孤独死した物件の特徴
霊感の強い方に言わせれば、「事故物件には亡くなった方の幽霊がいることがある」というケースも見受けられるようですが、そうした特殊な才能のない方からすれば、「孤独死があった」からと言って際立った特徴はないと言えます。ただし、それは孤独死のあった物件を借りるまたは購入する側の視点です。一方、孤独死のあった物件を貸すまたはは売却する側には孤独死のあった物件であることを特徴付ける2つの要素が加わります。
1つは「心理的瑕疵(しんりてきかし:その物件に入居しようとする人物に対して、「住みたくないな」や「嫌だな」という気持ちを生じさせるもの」)と呼ばれる欠点を持つ事故物件として認識されるようになること。
もう1つはそれに伴う告知義務(「事故物件ですよ」と知らせる必要性)が付いて回るようになることです。
告知義務は賃貸物件の場合は「事案発生からおおよそ3年が経過すれば過去のこととしてなかったことにできる」とされていますが、分譲物件の場合は永続的に付いて回ることが国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」で定められています。
そのため、「孤独死のあった事故物件の特徴」としては、以下2点となります。
・心理的瑕疵という欠点が付いた事故物件となってしまっている
・告知義務に沿った説明をしなくてはならない
特殊清掃を行う
では、実際に孤独死などのあった物件を高く売っていくためには何が重要なのでしょうか?
まずすべきこととしては、特殊清掃を行うことが大切です。
特殊清掃を行うタイミングとしては、警察の現場検証が終わり、許可が出た後です。
なぜ警察の現場検証が終わるのを待つのかというと、孤独死などの個人宅での人の死は、
殺人事件の可能性という点を警察は確かめておきたいからです。
そのため、警察の現場検証終わりを待たずに特殊清掃をしてしまうと、隠蔽を疑われてしまう可能性があるからです。
現場検証終が終わったら特殊清掃をすることで、死臭などの頑固で強烈な臭いや細菌・ウイルスを撒き散らす恐れのある汚染源はきれいに除去できます。
また、業者によっては建築系資格を取得していることで、壁紙や床の張り替え、浴槽の取り替えなどのリフォームや解体までを1社で担える場合もあります。特殊清掃業者に依頼する前に、どこをどんな状態まできれいにするのかを確認して、望む作業をしてくれる業者を選定しておくことをおすすめします。
遺品整理を行う
特殊清掃を行って孤独死現場がクリーンな状態になったら、次にするべきは孤独死者の遺品整理です。
遺品整理では、相続上必要になるものと捨てても構わない不要品とを選り分けていきます。
なお業者によっては遺品整理士という遺品整理に専門的な知識を持つ人物であることを証明する資格を取得している場合があります。
そのため、特殊清掃から遺品整理までを丸ごと業者に委ねたいと思うのであれば、遺品整理士資格を持つ特殊清掃業者に依頼を出しましょう。
また、古物商許可(中古品の買取販売許可)を取得している業者であれば、遺品整理中に出た価値のある不要品を買い取ってその分清掃費用などを値引いてくれるケースもあるようです。
つまり、できるだけ費用を抑えたい場合はこのようなサービスを行なっている業者を探して問い合わせてみるのもありでしょう。
孤独死を早く見つけるための環境作り
孤独死の早期発見ができれば、状況が悪化しないうちに遺体を収容でき、室内への悪影響を最小限に押し留められます。孤独死に早く気付けるための方法や環境作りとしては下記のようなものが挙げられるでしょう。
孤独死に早く気付けるための方法や環境作りの例・分譲マンションの場合は管理会社などが見守りをする
・ホームセキュリティサービスを活用する
・地域にコミュニティを作る
分譲マンションにはそこを管理している管理会社がありますよね。
そのため、分譲マンションの場合は管理会社が率先してプライバシーに配慮した見回り活動を行うことで孤独死などの異常に気付ける可能性が上がります。
また、マンション・一軒家を問わずホームセキュリティサービスを導入することで人の目が届きにくい場所での緊急事態でも把握できるようになり、いざという事態が起こっても最悪の状況を回避できる可能性が高くなります。
さらに地域にコミュニティがあれば、そこに自然と見守りの輪ができるというメリットがあります。
実際、地域の診療所の待ち合い室がご老女方の噂話の情報交換の場となっていて、そこに顔を見せなくなった方が実は老人ホームに入所されていた(あるいは持病の悪化で入院していた、もしくは亡くなられた)というケースはよくあります。
事故物件専門の業者に相談する
孤独死があった事故物件であっても、早期発見ができれば、相場の1割ほど値下げするだけで不動産仲介業者に取り扱ってもらえる場合があります。
なかには「1カ月以内に戸建住宅を売却しなければならない」や「相続の関係上いますぐにでも現金化させたい」という方もいるかもしれません。
そうした時間をかけずに事故物件を売却したい人におすすめとなるのが、事故物件を専門的に買い取る業者に買取の相談をすることです。
事故物件専門買取業者は事故物件の目利きのエキスパートです。
そのため、相談者の持ち込んだ物件を迅速に精査して買い取ってもらえます。
少しでも高く売りたい場合、不動産仲介業者に依頼するべきですが、対応を断られてしまったり、短期間での売却を迫られているのであれば事故物件専門買取業者に相談してみましょう。
実際どれくらいで売れるのか?
事故物件は一般的な物件の相場価格と比べると1割〜5割ほど下がった価格が相場値となっています。
価格の下がり方に大きく幅があるのは、孤独死が発見された時の状況もそうですが、物件価格には「立地場所の便利さや人気不人気」、「築年数」など様々な要因が複雑に絡み合ってくるからです。(人気エリアの場合は、値下がりしない場合もあります。)
また事故物件の土地は相場価格の1割〜2割減で売れます。
土地の方が割り引かれ幅が小さいのは、孤独死の現場がその土地そのものではなく、その土地の上に建てられている建物の中という認識の方が強いからです。
また、孤独死があってから10年以上経った土地は相場値通りの価格で出しても構わないとされます。ただし、告知義務は消えないので、この土地にあった建物で孤独死があったことを知らずに取引されることはありません。
まとめ
孤独死のあった物件をできるだけ高く売るために重要となるのは、
・警察の許可後すぐに特殊清掃をすること
・遺品整理をしておくこと
・できる限り早めに孤独死に気付ける体制を構築しておくこと
の3点です。
孤独死の発見が早ければ早いほど自然死相当の扱いとなり事故物件化しにくくなります。
事故物件の買取相場は一般的な物件の1割〜5割減、その物件が立っていた土地は1割〜2割減となっています。
そのため、条件が良い物件ほど高く売れる可能性は高いでしょう。
しかも、万が一事故物件化してしまっても状況の良い物件は不動産仲介業者に扱ってもらえる可能性があり、高く売れる可能性も高くなります。
もし、事故物件の状態が悪く仲介業者に断られてしまったという場合は、事故物件を専門的に買い取ってくれる不動産業者に買取を依頼しましょう。この記事を通して、万が一事故物件を抱えたとしても慌てず行動できる知恵を付けていただければ幸いです。
特殊物件再生協会にお任せください
特殊物件再生協会は、「事故物件」の再生を通じて、新しい価値を創造します。私たちは、特殊清掃などで物件の本来の価値を発見し、イメージアップと付加価値を提供することで、購入を希望する方々に魅力的な物件を提供することを使命としています。また、特殊清掃以外にも不動産買取、相続登記・遺品整理など様々なサービスを提供させていただき、ご遺族・オーナー様の負担を最小限に軽減したいと思っています。お気軽にご相談ください。